スリープ・アロット 
「睡眠は重要だと思いますか？」という質問に対して、
おそらくほとんどの人は
「重要」と答えるでしょう。
しかし「睡眠はなぜ重要だと思いますか？」という質問にみなさんならなんて答えますか？
「〇〇！」と答えられる人は、この記事を読み進める必要はないでしょう！
「ぐぬぬ…」と声が出てしまった人は、下にスクロールしてみてください！
そこで今回は科学的に睡眠が重要な理由を5つ紹介します！
本当はもっともーっっっっとありますが、ビジネスパーソンにとって重要な5つに厳選しました！
- 免疫力をUPさせ健康になる
- 仕事のパフォーマンスを向上させる
- ポジティブマインドにする
- 記憶力低下を防ぐ
- 判断力
目次
睡眠とは
まずは「睡眠とは？」という前提の部分から解説します。
睡眠とは〇〇！
そもそも睡眠に関する研究は数多く行われていますが、いまだ不明なところは多いです。
論文の最後に、「追加の研究が必要です」という記載を結構見かけます！
しかし「睡眠とは？」という質問に対して、科学的にアプローチすると下記に例えられます。
脳のゴミ収集車
研究によると寝ている間は脳に蓄積した不要な細胞が除去されることがわかっています。
つまり睡眠が不足すると、脳内にごみがたまり続けてしまいます。
ごみが散乱している部屋だとなんか気分がモヤモヤしませんか！？
脳内のごみはしっかり睡眠をとって除去しましょう！
必要な睡眠時間とは
それでは脳内を清潔に保つためにはどれくらいの睡眠時間が必要なのでしょうか？
大人の場合は7～9時間です！
世代ごとによって必要な睡眠時間は異なるので、子どもの場合はもっと多くの睡眠時間が必要になります。
もちろん睡眠は「時間」だけでなく「質」も重要ですが
ここではあえて「質」の部分には触れません。
- なぜなら「質」が改善したかどうかを知るには睡眠状況を追跡してくれるデバイスが必要だからです。
最近になってようやく睡眠を追跡するデバイスが脚光を浴び始めましたが、まだまだ認知度は低いでしょう。
ちなみに私はOuraringというスマートリングを使って日々の睡眠状況を測定しています！
一般的には「時間」の方が睡眠を改善する際にわかりやすい指標といえるので
本記事も「時間」に焦点を当てます。
つまり本記事で睡眠不足といったら、単純に「睡眠時間が足りないこと」と思ってください。
前置きが長くなりましたが、睡眠に関する大前提を説明しましたので以下より詳細について紹介します！
健康維持
科学的に睡眠が重要な理由の1つ目は健康維持です！
これは誰しもが連想しやすいトピックスではないでしょうか！
ここでは健康というテーマをもう少し深堀りして紹介します！
免疫力UP
十分な睡眠を取ると免疫力が向上します。
カーネギーメロン大学の研究によると…
7時間未満の睡眠時間の人は8時間以上の睡眠をしている人と比べ、2.94倍風邪を引きやすくなりました。
つまり十分な睡眠量を確保するだけで約3倍も風邪を引きづらくなります。
またワクチンに関するテュービンゲン大学の研究では
ワクチン接種後、睡眠をしっかりとった人と睡眠不足の人の抗体量を4週間後に調査すると
前者の方が抗体量が2倍になっていました。
つまりワクチンの効果を最大化させるためには、十分な睡眠をとることになります
ちなみに慢性的に睡眠不足の人は通常の人より約2倍も怪我しやすいです！
睡眠不足になると…
逆に睡眠不足になると病気になるリスクが高まります。
たとえば
- 心臓発作になる可能性が20%高まる
- 不眠症はうつ病になるリスク増加。うつ病患者の75%は不眠症の傾向。
- 肥満になりやすい。肥満の人は糖尿病や脳卒中になりやすいので良くはない。
ダイエット中はきちんとした睡眠が必要ですね！
以上が睡眠の健康維持における重要な役割の紹介でした。
仕事のパフォーマンス
科学的に睡眠が重要な理由の2つ目はパフォーマンスへの影響です。
バスケットボール選手のスリーポイントシュートの精度が約9%向上
逆に…
テニスプレーヤーのサーブ精度は最大53%低下
このように睡眠1つでアスリートでさえもパフォーマンスに影響があります。
アスリートもビジネスパーソンも同じだと思っています！日々「練習」をするのか「仕事」をするのかの違いだけで！
それではなぜ睡眠がパフォーマンスに影響があるのかを以下で解説します。
心身の回復
先程のバスケットボール選手の研究では、主観的な心身の回復が
パフォーマンスを向上させた1つの要因と解説しています。
心身の回復とは具体的に下記の内容です。
- 日中の眠気が解消
- 疲労感の減少
- 否定的な気分になりづらい
睡眠が心身を回復させるのは当たり前のようですが
ほとんどの人は自分が睡眠不足だと認識していません。
つまりパフォーマンスが低下していることにも気付いていないです…
これだから睡眠不足はこわいんですよねー
柔軟性
仕事を評価する上では柔軟性は1つの評価項目ではないでしょうか。
突然振られた仕事にも落ち着いて対応できる人は仕事ができるなって思いますよね！？
ワシントン州立大学にて、睡眠不足時における意思決定についての研究が行われました。
結果的に睡眠不足になると不足の事態に良い決断ができないということがわかりました。
つまり睡眠不足の状態では適応力が欠けてしまうということです。
柔軟な対応ができない人は睡眠不足が原因かもしれないですね！
パフォーマンスを回復させるには◯日
睡眠不足になるとパフォーマンスが低下してしまいますが、
どれくらいで通常のパフォーマンスに戻ると思いますか？
1時間睡眠不足になると、いつものパフォーマンスに戻るまで最大4日かかります
睡眠不足ってどれだけ頑固なんでしょう！
職場で「6時間しか寝れなかった…」と仲の良い同僚と話すこともあると思いますが、
「ごめん、今日は仕事の効率悪いわ…、しかも4日後まで…」と伝えているのと同じですね！
仕事のパートナーに寝てないアピールする時代は終わりましたね！
気分
科学的に睡眠が重要な理由の3つ目は気分です。
幸せとは？
話題が少し変わりますが、
ハーバード成人発達研究チームは「幸福とは何か」という命題に対して
75年にわたり700名を調査しました。
すると、こう結論付けました。
良い人間関係こそがわたしたちを幸せにする
それではみなさんはどんな人となら良い人間関係が築けますか？
ときには必要ですが、いつも否定的な人やネガティブなことばかり言う人はちょっと掴みづらいですよね…
睡眠がとれているとポジティブマインドに
カリフォルニア大学の研究によると睡眠不足の状態では
怒りや恐怖といった負の感情が増幅されることがわかっています。
逆に十分な睡眠はネガティブな感情が減少させポジティブな感情が増加させます。
つまり睡眠はわたしたちの幸福度にも間接的に影響を与えていることになります。
いつも怒っている上司より、いつも褒めてくれる上司の方が私は好きです！
みなさんはどちらの上司が好みですか？
記憶力
科学的に睡眠が重要な理由の4つ目は記憶力です。
ビジネスパーソンにとっても記憶力は重要ですよね？
あの人だれだったけなーということがなくなったら、ラクですよね！
記憶力低下を防ぐ
そもそも睡眠中には「記憶」だけでなく「排除」も行います。
重要な情報は記憶し、いらない情報は捨ててしまうということですね！
そして記憶力を向上させるためには、学習後に眠るのがベストです。
ある研究によると…
睡眠不足になると新しいことを記憶する力が40%低下する可能性が示唆されています。
ちなみに記憶力を向上させるのは夜間の睡眠だけではありません。
昼寝も記憶力を向上させることがわかっています。
昼寝の直前に学習したことも昼寝をすることでより強固な記憶を形成します。
取引先の人を覚えたければ、会った食後に昼寝をするのが良さそうですね！
なぜ年をとると物覚えが悪くなるのか
この章は番外編です！
一般的に年をとると物覚えが悪くなるといわれていますが、なぜだと思いますか？
もちろん記憶力が単純に低下しているということも考えられますが、
実は睡眠が関係しています。
- 睡眠には4つの段階があり、それぞれに役割があります。
そして年をとると、記憶を整理するためのある睡眠が減少します。
つまり記憶を定着させる睡眠が減少→覚えられない
そもそもの仕組み上、記憶するのが難しいようにできているんですね！
判断力
科学的に睡眠が重要な理由の5つ目は判断力です。
重要な取引時に間違った判断はできないですから、これまた大事ですね！
結論、睡眠不足になるとリスク思考になります
デューク-NUS医科大学(シンガポール)の研究では
睡眠不足の人は損失を回避するよりも、将来の利益を求める行動をとりやすいことがわかっています。
つまり楽観的になるということですね。
大事な決断をしなければならないときに、責任者に対して
「昨日はどれくらい寝ましたか？」と聞くのは良いかもしれませんね。
もちろん改善するためには「しっかり寝る」ということになります！
まとめ
改めて本記事の概要です。
- 免疫力をUPさせ健康になる
- 仕事のパフォーマンスを向上させる
- ポジティブマインドにする
- 記憶力低下を防ぐ
- 判断力
歯車が狂い始めたときに、睡眠を改善してみるのも1つの手段になるかもと思い出してもらえたら嬉しいです！
【参考文献】
The Neuroprotective Aspects of Sleep
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26594659/
◯健康維持
Sleep habits and susceptibility to the common cold
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19139325/
Sleep and immune function
https://link.springer.com/article/10.1007/s00424-011-1044-0
Chronic lack of sleep is associated with increased sports injuries in adolescent athletes
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25028798/
Sleep Duration and Myocardial Infarction
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31488267/
Sleep deprivation and obesity in adults: a brief narrative review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30364557/
Sleep disorders as core symptoms of depression
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18979946/
◯パフォーマンス
The effects of sleep extension on the athletic performance of collegiate basketball players
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21731144/
Feedback Blunting: Total Sleep Deprivation Impairs Decision Making that Requires Updating Based on Feedback
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25515105/
Estimating individual optimal sleep duration and potential sleep debt
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27775095/
◯気分
STUDY OF ADULT DEVELOPMENT
https://www.adultdevelopmentstudy.org/grantandglueckstudy
What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness
https://www.ted.com/talks/robert_waldinger_what_makes_a_good_life_lessons_from_the_longest_study_on_happiness
A Role for REM Sleep in Recalibrating the Sensitivity of the Human Brain to Specific Emotions
https://academic.oup.com/cercor/article/21/1/115/339129
◯記憶
Sleep On It
https://newsinhealth.nih.gov/2013/04/sleep-it
◯判断
Disrupted Sleep: From Molecules to Cognition
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26468189/
